む。
Sa;




そこには、なにもない。

あるとしたら、

なにもない。ということぐらいかしら。



君はベランダの向こうの空を眺めながら


まるで、詩を朗読しているかのような雰囲気で


明日を眺めた。



なにもない。
あるとしたら、
なにもない。ということぐらいかしら。



君は、冷蔵庫を開けて

トマトがないという。



ぼくは、笑いながら


はじめからそんなものはないと
思えば困りもしないよ。


とベランダの網戸を開けた。



この世はないものだらけで


だから、ちょうどよいのだ。




自由詩 む。 Copyright Sa; 2008-06-11 19:54:48
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