ロボットにハートを。
wisteria

みんなはわかっているのに
あたしだけがわからないまま

「みんなと違う」

そう認めるのが嫌で
みんなと違うからできないと思われるのが嫌で

でもあたしにはわからないことだらけ
みんなは少しずつわかっていく

みんながどうやってわかっていくのか
話を訊いて学習して「そうなのか」と思うあたしを
みんなみんなあたしを置いていく

「そうなのか」と思ったところで終わりだから
誰もあたしを呼ばないのか


目の前に出された問題
公式や道具は手にできても
その使い方がわからないまま
どうやって使うのか悩んだまま
型にはまったまま
時間だけが過ぎていく

本当にその問題の答えが知りたいの?
それすらもわからなくなってくる
最初から何かを思う選択肢が無かったかのように
音声だけが頭を通って出て行く

あたしはあたし
言葉だけがたんたんとしている

あたしはロボット
プログラムされていないことはできません

あたしは人間
何かを感じるけれど表現できない欲求がある


自由詩 ロボットにハートを。 Copyright wisteria 2008-06-11 13:37:46
notebook Home