クロール
ミゼット


朝を待つ人は
髪を枝葉のように広げて
目を瞑ったまま夜を探る

どこかに昼のきれはしが落ちてやしないかと
どこかで夜がめくれて光が漏れてやしないかと

暗い空が屋根でよけてもまだ重い
寝返りを打てばひそひそと階下で父母が噂する

水の足りない暗がりで
心臓の音が追いかけてくる

腕を伸ばせば怖いばかりだから
髪を広げて夜を探る

土の中を逃げて行く


自由詩 クロール Copyright ミゼット 2008-06-11 00:38:51
notebook Home 戻る