夢
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泡沫のような時代の中で 
大切なものを一つ見つけました 
移ろいゆく景色の中で 
いつしかガラクタに変わっていました 
夢 
その輝きを 
誰もが追い掛けて 
誰もが掴みかけて 
大事なところで見失っては 
何度も同じ涙を流す 
仮初めの恋をいくつも経験し 
離さないよう強く抱き締めました 
やがて微睡みから目が覚めて 
現実の虚しさを知りました 
夢 
その響きに 
誰もが酔い痴れ 
誰もが溺れて 
やがて夢から覚める頃には 
夢見たことさえ忘れてしまう 
黄昏のような顔付きで 
行き交う人達は流れていきます 
まほろばを探し求めて 
どこへも行けずに彷徨うばかり 
夢 
夢が無いことに悩み苦しみ 
夢を探そうと必死になる 
夢を見る理由も分からぬまま 
夢に押し潰されてゆく 
語るためのものではなく 
見せびらかすためのものではなく 
貴方の本当の夢は何ですか? 
夢 
その言葉は 
時に悲しく 
時に残酷で 
その魅力に惑わされては 
何度も同じ涙を流す 
そしてまた人は夢を見る
 
