グリンピース
虹村 凌

ボックスシートに座って
どこか遠くへ行こう
この街を北へ抜けて
知らない街まで行こう
夜明けに出る始発電車に
乗せるカバンなんて何も無い
朝が来るまで何度もキスをして
昼になるまで深く目を閉じる
検札を何度もやり過ごし
夕暮れに鉄の車輪が軋む頃
再び目を開けて窓の外を見る
知らない景色は後ろに流れ去り
今し方交わしたキスさえ流れてく
終着駅では僕らだけが降りて
街にひとつの旅館に潜り込む
ビックスを胸に塗り込んで手を繋いで
朝まで囁いて唇が割れたら眠るのさ
きっとこれが最後の夜だから
グリンピース
グリングリンチョリン
チョリンチョリンパリン
パリンパリンパリン
パリンパリンパリン

ガシャン

何処か遠くの海岸線を
スーパーカーで走る夢を見たよ


自由詩 グリンピース Copyright 虹村 凌 2008-06-06 23:37:05
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