臆病
きりえしふみ

 人知れず泣いてた

ボクには多分 現実感覚なんてワカラナイ……歩けない
いつもボクは 細っこい脚……しかも そう こんな風に風に びっこを引いて
しかも 迷って 前進してゆくから (時に) 後退 してゆくものだから

現実感、の 時計の速度で 歩く君と対面!
しても回れ右出来ない
だから だろう?
ほら また 無防備に無器用な
衝突を繰り返す
ボクら また 不自由に 互いの迷路に迷い込む
一人は 文明開化前の認識を背負い込みいざ アスファルトジャングル
も一人は知的に スーツを着こなしたまま 未開の土地の奥へ 奥へと
迷い込むように 無謀な開拓、挑むよう まるで
顔面ストレートパンチを 喰らった!
かのような 鈍く疼く衝撃で
ボクら互いに 互いの迷子だ

……無器用なボクは
君に流れる 時間のテンポで
巧くリズム、刻めない 笑えない
どんな愉快な ジョークで肩を突かれても

だから ボクら いつも
互いに 互いを
凝視しながら し合いながら いつも強く
焦がれながら 恋しがり合いながらも 相容れない!
気性と 感覚で 常に
警戒するのだろう

 ボクら素直な あのワード
 飲み干すのだろう

(c)shifumi kirye 2008/06/06


自由詩 臆病 Copyright きりえしふみ 2008-06-06 03:18:36
notebook Home