東京飛行
山中 烏流

 
 
 
 
栗の花が、匂う
 あの子のスカートは
  本当に秘密だろうか?
 
 
 (あ、あ、あ、暗転
 
 
時折
飴玉が降るらしい
都会のような片隅
 
私のスカートからは
まだ、まっすぐな匂いがする
 
 
 (暗転、暗転、あん て
 
 
ランドセルのお姉さん

セーラー服のおじさん
 
 私の方を、見ないように
 
引きずられれば
空を飛べるのだと
最近、改めて知った
 
 
 (たまに、陰鬱な白夜
 
 
  それを
 噛みちぎったら
何か産まれたりしますか?
 
 
 (あああああ、あ
 
 
栗の花が、匂う
あの子のスカートから
私のスカートから
 
それはもう
気持ち悪いことに
 
 
 (うん、人間、うん
 
 
気持ち悪いことに。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


自由詩 東京飛行 Copyright 山中 烏流 2008-06-05 11:59:16
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