梅雨空
アハウ

雨は崩されてゆく
透明の灰が静かに積もりゆき
アスファルトの水溜りに雨音の波紋ができた

土地は湿り気を増し
ビルディングは地階から 灰に埋まった

飛び散る 雨
しぶきが足元を濡らして

排気ガスが舗装道路に溢れて
二酸化炭素は壁のよう

無色の灰
透明の煉瓦を積む 
この街で

カラフルな傘が回る
アスファルトの道
灰の上に足跡が残り

それもやがて雨に洗われるよ

街が静かに寝息を立てている

この梅雨空に


自由詩 梅雨空 Copyright アハウ 2008-06-05 10:35:04
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