緑宇 Ⅱ
木立 悟
空の鋭角
小鳥は啼く
野の終わりのしるし
小鳥は啼く
碧のようで
碧ではなく
ひろびろと
緑に傾く石
路から空まで
はばたきは水から離れない
蒼の雲や碧の雲
裂けても裂けても雨色の
底の無い水の空へと落ちてゆく
緑は昇る
小鳥は啼く
緑は渡る
小鳥は眠る
石を濡らす小さな水も
水に濡れるひろい石も
手のひらに微笑むひとつのしるし
はじまりの空へとはばたいてゆく
自由詩
緑宇 Ⅱ
Copyright
木立 悟
2004-07-12 22:33:27