天使の詩 
服部 剛

黒い壁に囲まれた 
都会の個室 

パソコン画面に映る 
真青の空 

あの日「向こう側」へ 
逝ってしまった君が 
今も遺言を語りかけるページへ 
クリックする 

時の止まった画面に 
うっすら立つ君が 
両手を合わせる 

「 ボクハイツデモ ココニイマス 」 

君のページを閉じる 

再び画面は 
真青な空 

「時間」というものを消すように 
パソコンの電源を消して 
黒い個室の外へ、出る。 

僕は今日 
在りし日の君を愛したひとと会い 
静かにグラスを傾けながら 
君の魂を弔う 

向き合うテーブルの間に 
うっすら消えない 
君の面影をみつめて 





自由詩 天使の詩  Copyright 服部 剛 2008-06-02 00:28:51
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