退屈に過ぎる日
ホロウ・シカエルボク









退屈に過ぎる日
空は暗く
降るか晴れるか
まだ
決めかねている
約40キロで
狭い道路を抜ける
エンジンの歌の反復
頁をめくったけど、次にはいけなかった


いつだったか
長い詩を書いて
しばらくそいつに捕われた
言葉は伸縮自在、だけど
詩人どもは自分でそこに枠を設ける
こころを歌うことだけが
詩情と呼ばれるわけじゃない


梅雨入りしたらしい
長い憂鬱が続く
墓参のときの神妙さみたいな
湿気が頬っぺたに張りついて剥がれない


アイドリングはよせよ…アイドリングは
すぐにアクセルを踏まなきゃいけないようなことなんて本当はないんだぜ
お前は排気量を信じすぎてる
息すら切れない走行距離に
いったいどんな誇りがあると言う?


時計の針は調子が悪いようだ
一分が昨日の三倍の長さだ
昼休みにこなしたい用事はあるものの
空が
それまでもってくれるかどうか判らない
雨雲は難儀だ
そいつが居ないとみんな干上がるのに
誰も
そいつのことを好きだと言うことがない











自由詩 退屈に過ぎる日 Copyright ホロウ・シカエルボク 2008-05-31 01:41:12
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