生命の感動
beebee



思い出してよ
初めての感動を。
君は何からだろう?
僕はアリの行進から。
次々と穴から出て来るアリが
一列になって進んで行く。
通りの道の葉っぱやタンポポの種を小さな身体で持ち上げて
運んで行く。
巣には卵や蛹がいて
大人のアリ達に守られている。
育児室があって倉庫があって菌類を栽培して、
夏には大空へ飛び立つ雄達。
巣別れする雌を求めて
儚い命を燃やす。
明らむ光が見え地上に夜露の垂れる時、
羽を落とし夢を終える。
こんな小さな命に
大きな一生。
あっという間の一生が大きな時の流れの中にある。
日の光が力を持ち始める時、
新しい一日が始まる。
新しい一族の始まり、
それはあたかもひとつの文明のよう、
始まりがあって終わりがある。
長い時間の流れの中で続いていく摂理。
アリの行進にぼくが感動したのは
本当の話だよ。
ねえ、
君の話を聞かせてよ。


自由詩 生命の感動 Copyright beebee 2008-05-31 00:09:40
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君に伝えたいこと