シロツメグサ
yo-yo

シロツメグサで
首飾りと花束をつくり
ぼくたちは結婚した


わたしの秘密を
あなたにだけ教えてあげる
と花嫁は言った
唇よりも軟らかい
小さく閉じられた秘密があった
シロツメグサで髪をかざり
赤ちゃんになったりお母さんになったり
お父さんになったり
赤ちゃんになったりした


朝といえば朝になり
夜といえば夜になった
夏といえば夏になり
冬といえば冬になった
一日は早く
一年も早かった
おいしいおいしいと言いながら
シロツメグサのパンばかり食べた


いつか
結婚していることを
すっかり忘れてしまった頃
彼女は美しくなって
結婚した
シロツメグサがいっぱい咲いていたけれど
首飾りも花束も
ぼくはもう作らなかった




自由詩 シロツメグサ Copyright yo-yo 2008-05-30 06:14:14
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