シロツメグサ
yo-yo
シロツメグサで
首飾りと花束をつくり
ぼくたちは結婚した
わたしの秘密を
あなたにだけ教えてあげる
と花嫁は言った
唇よりも軟らかい
小さく閉じられた秘密があった
シロツメグサで髪をかざり
赤ちゃんになったりお母さんになったり
お父さんになったり
赤ちゃんになったりした
朝といえば朝になり
夜といえば夜になった
夏といえば夏になり
冬といえば冬になった
一日は早く
一年も早かった
おいしいおいしいと言いながら
シロツメグサのパンばかり食べた
いつか
結婚していることを
すっかり忘れてしまった頃
彼女は美しくなって
結婚した
シロツメグサがいっぱい咲いていたけれど
首飾りも花束も
ぼくはもう作らなかった