「満月(みつつき)」
ベンジャミン

淡々と過ぎてゆく日々を
うつろに感じてしまわないように
小さな声に耳をすます

いままさに
目の前にいる小さな子
僕にとっては生徒と呼ぶべき

その小さな子が
「みつつき」とつぶやいた
視線の先には「満月」と書いてあって
「まんげつ」と読むのが正しいのだろうが

「みつつき」って
とてもきれいな言葉だと思った

淡々とした日々の中
夜空を見上げることもついついわすれ
今日を生きることに熱をうばわれている

帰り道

小さな子がつぶやいた
「みつつき」という言葉を
ふと思い出して

同じようにつぶやいてみたら
不思議だ

いつもより月があたたかく見える
   


自由詩 「満月(みつつき)」 Copyright ベンジャミン 2008-05-30 00:55:50
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