猫の頭を撫でたらニャアと鳴くそれが出発の合図さ
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死神のノックする音が聞こえて

ハンブルグのように黒い霧が立ち込めて

ベルリンのように赤い雨が降ろうとも

俺は死神の喉笛をデリンジャーでぶち破る



その銃声は街中に響き渡り

赤ん坊は泣き止み

若者は携帯を握りつぶし

老人はストリップショーに駆け込む



この世界は鉄条網つきのコンクリートで囲まれた薔薇の園

茨の棘はモラルのボーダーを麻痺させる猛毒でいっぱいらしいぜ

マゾヒスティックな快楽に五体を締め付けられたコミュニケーションの囚人たちへ

無料無期限無保証の天国行きの招待状を送るよ



あんたの後生大事に持ってる哲学はブックオフに捨てていくといい


メッセンジャー、天国は水色だって伝えといてくれ



猫の頭を撫でたらニャアと鳴く

それが出発の合図さ


自由詩 猫の頭を撫でたらニャアと鳴くそれが出発の合図さ Copyright You 2008-05-29 17:29:11
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