空き缶と旅人
服部 剛
からからから
バスの車内の床を
なすがままに転がる
誰かが忘れたコーヒーの空き缶
かーん
いい音立てて
優先席の爺さんの
杖にぴったり止まった
*
地図を持たない旅人
(探しものは何処にある?)
ながれながされ
さすらって
こころの器を空にして
かーん
ぶつかった場所から
彼の物語が
幕を開ける
自由詩
空き缶と旅人
Copyright
服部 剛
2008-05-28 21:32:21
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