形見の腕時計
1486 106

二時十七分三十六秒
止まったままの時計の針
盤面のひび割れた傷
刻み付けられたあの日の悪夢

赤城山のドライブの帰り道
運転よりも会話に夢中で
対向車線にはみ出した車は
カーブを曲がってくるトラックに気付かず
ハンドル操作もままならないまま
ガードレールに直撃した
僕はあまりの衝撃に気を失ってしまった
病室のベッドで目を覚ましたのは
君がいなくなった後だった

二時十七分三十六秒
止まったままの時計の針
盤面のひび割れた傷
忘れてはいけないあの日の悪夢


自由詩 形見の腕時計 Copyright 1486 106 2008-05-28 17:52:15
notebook Home