ノート(しずく)
木立 悟
似かよった街の
似かよった道の行きつくところに
友人の建てた家があるという
何年も何年も借りたままの
いろんなものを返しにゆく
川辺にはワニがいてこちらを見る
何ということもない家
変わってしまった妻
友人はその日いなかった
笑われ 憐れまれ
何も言えず
ただ玄関に置いて外へ出る
原へ消えようとも考えたが
滴になる覚悟もなく
雨の道を帰るしかなかった
自由詩
ノート(しずく)
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木立 悟
2008-05-27 21:42:02
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