スローターハウス7
モリマサ公

泣きはらした様な空が
広がり
あたしのうちまたを
細い暖かい体液がまたながれて
玄関の先の土を濡らしてる
うすぎたない腕を
切れそうな糸のように伸ばし
母が若い稲のようにふさふさとゆれ
メールがヤバい量
送信されてパーソナルコンピューターを通過し
携帯がぼくたちのように
ぶるぶる鳴る
部屋のおおきい天井に
まっくろい風船が
いくつもくっついて
地面にカベに文字たちが
染み込み
記憶はすりこまれる
声がまあるい空間になって
空気を押し出すのは
鼓膜をおすちからで
おれたちが侵入する角度の
いつもどうにもならないさで
あたしたちはなぜかのせてもらって
トラックでトンネルを通過する
息を止めてオレンジの光の中で動物たちを値踏みし
男達があたしたちを値踏みし
ゼロになる度に道路の脇で
じーと鳴いている虫になる
羽と骨
肉と水
どれもとてもきれいで
あれもこれも
みんな
はずんでいる


自由詩 スローターハウス7 Copyright モリマサ公 2008-05-27 17:42:45
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よあけ