少女
湖月

秤の林檎にくちびるを寄せ
カリ、と音を立てて齧れば
金色に光る果実から赤い石がおちる

深い色の底に
昔、こころの中に住んでいた少女を見つけ、
名前を呼ぼうとしたが思い出せない

彼女はもう居ないけれど、
よく似た人にまた出会いました。
そしてまた別れました。

貴方は私だったのかもしれない
片割のように側にいたお友達。
心の中の部屋だけで遊ぶことができましたね

貴方は私になったからいなくなったのでしょうか?


自由詩 少女 Copyright 湖月 2008-05-26 22:13:19
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