ヨルノテガム型
ヨルノテガム




ここで会った人にさよならでもないのに
さよならを言いたくなる
すぐに気は変わって
さよならは言いたくなくなる
代わりに、やあ とか どうも だとか
こんにちは を試したくなる

ボクと同じような孤独さんで言葉の使いで
創作者であることに魂を捧げてしまった、奪われてしまった
人たちと

暇を競う

閑であること、有閑であり過ぎることが
創作の源泉に近いように思える
心を亡くす、「忙しさ」とは入ってくるものをシャットアウトし
考えやひらめきをまとめる道を歩ませなくする

空白であることはひどく宝物だ

自分がなぜ創作者であるかは空白を吸い込んだからだ
忘れてしまうような空白たちと
ある一点で重ねる凝縮を体感してきたはずだ
出来事、消火してしまった感情や経験、風景、空気
忘れてしまえた出来事とも呼べないような出来事、様式を
大切に思うべきだ
空想に飛べていた僅かな隙間を、より広大な空白を
愛しこそすれ、怖れなくてもいい

虚しさは無い
虚しさは体調不良のようなものだ

空白に希望すべきだ

毎時、空気に出会うだろうし順に忘れればいい
残りカスのような記憶に捕まるより
吸い込む色と吐き出す色を思い描き疲れるのがいい











自由詩 ヨルノテガム型 Copyright ヨルノテガム 2008-05-25 16:28:21
notebook Home