あなたの花
はるこ
囚われる
囚われる
今 あなたに囚われている。
囚われている
囚われている
あなたのやさしい瞳に魅せられて。
あなたの希望はなに?
自分のしあわせ?
それとも、わたしに対する世界からの追放?
ただ見ているだけで良かったのに
あなたはおおまたで歩いてきて、
わたしが懸命に立ててた壁取っ払って、
心にまっすぐ入ってきた。
こういう気持ちなんて要らないのに
溺れてしまうって分かってたのに。
その癖今日なんて話しかけてもくれない。
芽は出たところなのに土砂降りが降ったみたいよ。
気付いたのは
あなたがいつも水をやさしくかけてくれてたこと。
わたしはあんまりしてなかったね。
あなたの芽は誰のために育とうとしてるの?
入ってきたからってわたしのためとは限らない。
けどね、あなたの花がどんなのか知りたいから
明日はじょうろ持って行くね。
そして、明日こそわたしにも水をちょうだい。
育ち始めた芽は
土砂降りでもかんかん照りでも
少々のことじゃへこたれないから。
あなたへの想い、大切にするから。
明日こそ、水をちょうだい
水をちょうだいね。