僕、99号
三奈

指令塔が送ってきた電波を
アンテナで受信して

単純作業の繰り返し
それが、僕のお仕事

思考は紙くずと一緒にゴミ箱へ捨てた

はい、僕、99号

その前には98号がいて
後には100号がいる

僕の代わりなんていくらでもいるの
そんな事、ずっと前から知っていた






「特別を見つけなければ特別にはなれないよ」


僕より長く生きている人は
そんな事を言う


特別を見つけ、
特別になれたとき、
僕は99号から解放されるだろう。

一号に、なれるかな?

誰かの一号。
二号はいないんだ、永久に。



【蒼く澄んだ空、進む時計の音、単純作業をこなしながら】

【そんな事を、夢見てる】






自由詩 僕、99号 Copyright 三奈 2008-05-22 00:50:56
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