僕、99号
三奈
指令塔が送ってきた電波を
アンテナで受信して
単純作業の繰り返し
それが、僕のお仕事
思考は紙くずと一緒にゴミ箱へ捨てた
はい、僕、99号
その前には98号がいて
後には100号がいる
僕の代わりなんていくらでもいるの
そんな事、ずっと前から知っていた
「特別を見つけなければ特別にはなれないよ」
僕より長く生きている人は
そんな事を言う
特別を見つけ、
特別になれたとき、
僕は99号から解放されるだろう。
一号に、なれるかな?
誰かの一号。
二号はいないんだ、永久に。
【蒼く澄んだ空、進む時計の音、単純作業をこなしながら】
【そんな事を、夢見てる】