チョコレート
湖月

きれいな箱のクッキーは
触れると
ぽろぽろ崩れる
シフオンケーキは
握り潰すと
小さくなる
薄荷のキャンディーは食べる気もしない。

お腹の中に収まった
お菓子は
もうお菓子じゃない。

庭のスミレをつんで
砂糖を塗した
弱々しい花は
もろい宝石


現実は、
チョコレートのように
どろどろと
あまく
欲しいときと欲しくないときがある


自由詩 チョコレート Copyright 湖月 2008-05-20 15:52:43
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