こはるびよりの
草野大悟

こはるびよりのひだまりで
つりをしながらあくびをすると
ぽろっとくびがころげおち
ついでにうでもころげおち
なかよくはりぼてけりながら
うみのうえをかけていった。


いそにのこされたぼくは
もう
なにをやっていたかもわすれ
ただ
ぼんやりとたたずんでいた。


あのこえをきけ。

あのこえをきけ。

おまえのなかのあのこえを。


そらのかなたから
うみのそこから
くものながれから
だれかがささやきかけ

ぼくを
つっていたはずの
ぼくは
いつのまにか
かぜになって
ぼくのなかへと
むかっていた。


自由詩 こはるびよりの Copyright 草野大悟 2004-07-10 22:03:28
notebook Home