布団の中
ピート

夜が訪れて
白い布団の中に潜り込む
心地よい闇が僕を包む


ここは僕だけの世界
誰にも邪魔はさせない


夢の中に逃げるんだ

僕は小人
君は妖精

君は僕を愛していて
僕も君を愛している

君はいつだって優しさだけをくれる
「大丈夫よ、私がずっと傍に居てあげる」


自由な世界
全てが僕の思い通り


夢の中へ

僕は正義のヒーロー
君は悪のヒロイン

君は僕を嘲笑して
僕は君に制裁を与える

とても口には出せないやり方で…


良識ある皆さんの声からも
悲しみを連鎖させる光からも
ここに居れば逃れられる

何も怖いことなんてない
何かにウンザリすることもない


「いい加減、布団から出てきてよ」
彼女は言った
「君が布団の中に来ればいい」
僕は言った

そして彼女は去って行った


ほらね


このままここで朽ち果てたいな
優しい闇の中で…




朝が来る




僕は


寂しい


自由詩 布団の中 Copyright ピート 2008-05-18 16:55:20
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