つきこよる
ミゼット

みえないふねが
でるころに
おまえはひとりでうまれたの

かあさんがそういいました

つじのむこうのとおりから
にもつをもって
あるいてきたと

にもつのほかには
なにもみにつけず
ほどいたにもつの
なかみはなくした

くしだったんだっけか
はさみだったんだっけか
かあさん、わすれちまったよ

わたしもおぼえてはいません

どぶがわに
なにかいきもののめがひかる

たりないものはなんだった

かあさんはそのひ
たまのおをなくした
それからまるで
めがみえなくなったよう

ばんになると
わたしをかかえ
かみをかおを
なでて、なでては
わたしはひとりとそういう


自由詩 つきこよる Copyright ミゼット 2008-05-18 16:08:22
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