静かな海
t__y_k_

まだ起きかけで

昨夜の夢をひきずる

そんな誰もいない蒼い街を

低空飛行で泳いでいく



寂しいのに心地良い

逃げたいようで留まりたい

そんな夢を母の蒲団の中で何度も見ていた幼少期

今でもそんな、限りなく透明に近いブルーを僕はくすぶらせている


静かな海はイロトリドリの世界だった

静かな海は、やはり静かに僕を受け入れ飲み込んだ

色のない僕の心が

様々な色で満たされていく

そして今

幸福なため息を一つ吐く


自由詩 静かな海 Copyright t__y_k_ 2008-05-18 09:56:00
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