恵みに
砂木

たんぼの土手に立つと
風が強くあたる

しろかきが終わり 
水の上に浮いている 
稲わらをとって
土手に集める
もうすぐ田植え
晴天の太陽が たんぼの水に輝く

強い風は水の上をうろこにする
魚の皮膚の模様のような
風の足跡
山沿いのたんぼなのにおかしくなり
ふと 上をみても

空をみても水をみても
小さな蛙がとぶくらいだけど

稲わらを集める風の技は
惜しみなく私の強い味方として
地上に うろこの足跡をみせて

りゅうじんさま
かぜのかみさま
みずのかみさま
ひのかみさま
ちのかみさま

私の手と足だけではできない事が
私の力でできるのは

喉がかわいて 缶ジュースを飲む
たんぼの土手で 空と太陽をみながら
いっきに飲み干すと

黙って生きていても貰っている力に
自分を信じられそうな気がした




自由詩 恵みに Copyright 砂木 2008-05-17 22:15:04
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