告白
REMINGSセシル
その日は
たくさん緊張していました
一日、心臓が早く大きく打っているのが
わかりました
夜になり町は静寂に包まれ
ほんの少しの居酒屋の
灯りだけがぽつぽつと
昼から何も口にしないまま
時計は26時をまわっていました
サラダを二口ほど
口にしたときに
その時は来ました
疲れのせいで
頭がいたくなってました
肩が重かったですし
とにかく目がぐるぐる回って
寒さに震えているのに
しかし汗が止まらないのです
この世の終わりがきたと思いました
洋式便所の便器の水が
ぐるぐる回るのを見ては吐きました
便器にこびりついたどこぞの
酔っ払いが吐いたであろうげろを
見ては吐きました
そして動けなかった
するとそこに救世主スネイク登場
あの時のスネイクは
聖母マリアかと思いました
お釈迦様かと思いました
ノアの箱舟でした
織田信長でした
きんぴらごぼうの
やうでした
ドアを2、3、ノック
「おい大丈夫か」
「あぁ大丈夫」
なぜか強がってしまう第一声
しかしわたしは
死にぞこないの
ゴキブリのやうでした
ひっくり返されて
身動きのできない
亀のやうでした
浜にうちあげられた鯨でした
洋式便所の一角でした
「鍵あけろよ」
「あぁ」
スネイクが入ってきたとたんに
わたしは吐きました
一日の全てが流れていくようでした
夕日が赤く焼きつき燃え盛る
吉祥寺の砂漠の中にいました
スネイクは黙ってわたしの背中を
さすりました
わたしは一人では吐き出せなかったであろう
妬みや憎しみまで全てを吐き出したようでした
それからわたしは意識朦朧としていましたが
メンバーに帰りの挨拶をし、
スネイクの肩を
借りて800メートルほど家まで歩き
なんとか
ベッドにたどり着きました
道の途中でも、
わたしは何度もげろを
吐きました
スネイクは
震えの止まらない
わたしに上着を着せ
ボタンをしめ、
こんびにえんすすとあ
であたたかいお茶を
買ってきてくれました
そしてわたしの具合の落ち着くまで
ベッドのそばに居ました
そしてスネイクはしばらくすると
メンバーのまつ食処へ800メートルほど
歩き戻りました
いつの間にか
眠っていました
3時間ほど経って目をさますと
メンバーに囲まれていました
手をかけさせてすまない
本当にありがとう
なんでもいい
今度は
わたしに
何かさせて下さい
でないとわたしは
気がすまない
彼はいいました。
心あるうたをうたって欲しい
わたしは彼を愛している
彼がわたしを愛しているように
ただ本当にやさしさが
嬉しかった
やさしさで
胸がいっぱいで
体は苦しいのに
とても幸せだった