野川
フクスケ

初めは小さな湧水だった

流れの始まりは
始まりの音
川の変奏へと

流れる川の音を
聴いていると
行く先々で
音が変わる

一人
 佇んでいる
二人
 柔らかなやり取り
三人
 どうなるのだろう

川に沿って歩いていると
突然いなくなる
でもまた現れる気まぐれ
川の終わりが
河口とは限らない
ふと いなくなって
二度と顔を合わせない時もある
川の流れみたいなひと
ひとみたいな川の流れ
人との出会いのような
一度限りの
ものがたり


自由詩 野川 Copyright フクスケ 2008-05-16 19:39:40
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