明け方のアイスクリーム
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今にもねようとふとんにもぐり
君の肩に鼻を押し付けていると

とおくのとおくで猫が
ぎにゃあ、ぎにゃあ、と生きているのがきこえ

君もわたしもまだ死んでいないみたいに
はじまるのです
積極的に汚れて落ちていく
ひたすらと
あした を振り返らないように

ああ、
ああ、
ためいきに似せた声を部屋中に浮かべると
ふきだしになって
埋め尽くされてしまう
われわれが
埋め尽くされてしまいたい
われわれの


(朝になれば、ぽつんと割れるでしょう)




ありふれた接触と諦め
とっても上手で
とってもやさしい演技のほうほう
おもいやりかもしれないね
それは、人生みたい
けして打ち明けたりはしない
けれども伝わってしまう、鼓動の振動の奥の、
わたしはそれを愛と呼びたくて仕方がない
わたしはそれを愛と呼びたくて仕方がない
わたしはそれを愛と呼びたくて仕方がない


(だってみじゅくものだからです)




のぞみは暗闇の中で
一瞬に光って、また溶け出す
泣いているのじゃないよ、泣いているのじゃない
わたしはアイスクリームになって
君の温度に少しずつとかされて
君の舌にうすくはがされて、けずられて
あまくかおりを残して
ひやりと飲み込まれたい
泣いているのじゃないよ
だけどもどこまでもかなしい
誰にも追いつけないところまで、も、
朝が追いついてしまう


どうか ちきうがこれ以上まわりませんように
猫がしっぽをぴん、と空に突き刺すと
からすがこの日いちばん上等のカーブを撫でる

君がわたしに飽きて眠りにつくとき
うれしいのやらかなしいのやら
「今回もまた、生き延びた」と感じるのです





自由詩 明け方のアイスクリーム Copyright ________ 2008-05-14 22:16:33
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