水の空席
小川 葉
にごり水のすきまには
とてもせまい空席が
すみわたる空の波の間で
ゆりかごのように待っている
にごればにごった水のまま
にごる理由もわからずに
残されたその空席を
赤子のようにゆらしてる
光はそこを差している
にごるまでそこを差している
自由詩
水の空席
Copyright
小川 葉
2008-05-13 00:18:23