僕は君の中に居る
草野春心



  泣き疲れてのぞきこんだ空も雨
  たわ言が散らかった僕の部屋
  窓を叩く春の音は春のままだった
  今日は木曜日
  朝顔のツルが絡んだ夢をゴミに出さなきゃ



  手のひらの上の未来を辿る毎日
  海に届かない川の流れ
  みなもとさえ分からなくなった
  それでも進んでゆきたいと思っていた
  つくり笑いを売り買いしながら
  君の腕の中に逃げこみたかった
  だけど今日は木曜日
  夢をゴミに出さなきゃ!



  季節とともに気持ちは繰り返す
  抜け出したい気持ちも繰り返す
  その先に何も無い事を知りながら



  幸せなんていらない
  心からそう思えたとき
  隠した涙の代わりに愛の意味を理解した
  これが君のすべて
  僕は一生を丸めてポケットにしまうことにした



  僕は君の中に居たい
  もう誰とも会えなくなっても
  君の顔と名前を失くしたくない
  それでいい
  君が千の恋をしても
  それでいい
  それだけでいい
  僕は君の中に居るから



自由詩 僕は君の中に居る Copyright 草野春心 2008-05-12 08:23:02
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