「窓越しの空から」
ベンジャミン

窓越しに揺れる景色が
ゆっくり刻まれてゆく

雲の流れは気ままです
鳥はすらりと通り過ぎ

風が隠れて笑ってます

動かないのは僕だけで
世の中はぐるぐる回り

まるで孤独のようです

無意味な時間に怯えて
焦ってはいないけれど

静か過ぎると不安です
僕が消えてしまうので

思わず笑い飛ばします

溜息はもう吐き尽くし
呼吸を忘れないように

胸を押さえて感じます

ごく当たり前の営みに
自分を照らし合わせて

踏み出せば同化できる

これは映画ではないと
窓越しの空は語るだけ

重たい体をのり出して

飛べるはずもないのに
夢ばかり見ている僕が

滑稽に映らないように
    


自由詩 「窓越しの空から」 Copyright ベンジャミン 2008-05-09 13:39:19
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