ノイエムジーク
aidanico

朝起きると気付いた、空は貼り付いているんだ
青色のセロファンが
電球を通して海を染めているんだ
それを知ったのは今日だった
間違いも無く今日だったんだ

昼に目を瞑って気付いた、ぼくの心臓は薄い翅なんだ
ほそいほそい小さな音で
胸で鳴っていたのは蜻蛉の羽音だったんだ
それに気付いたのは今日だったんだ
間違いも無く今日だったんだ

夜寝るとき気付いた、君はぼくの真似をしているんだ
肌色の服を着て
薄桃に頬を赤らめたのも偶然じゃなかったんだ
それを気付いたのは今日だった
間違いも無く今日だったんだ

鳴っているのは黄色い何時かの耳鳴り?
夜の明るさに共鳴しているんだ
泥濘に
足を踏み入れたことにも気付かずに

目が覚めると気付いた、空は貼り付いているんだ
青色のセロファンが
必死に七色になろうとしていたんだ




自由詩 ノイエムジーク Copyright aidanico 2008-05-09 00:55:14
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