五月の虚無
吉岡ペペロ
森のなかにそこだけ
ひかりの射す広場があった
森の近くのファミリーたちが
その広場ではよく遊んでいた
ひとつの闇のような森に
どうやってこんな広場が生まれたのか
その広場で
色が
影が
動いているのを見るのは
果たして
死の世界を見るようだった
否、
わたしが死の世界から
五月の虚無を見つめていた
自由詩
五月の虚無
Copyright
吉岡ペペロ
2008-05-08 23:46:59