おかしのぱんだ
ミゼット
おかしのぱんだにつれられて
あたまにおおきなももいろりぼん
てあしはちぢめてふくをきて
てをつないであるいてく
ぱんだのては
だんだんねとねとしてくる
おかしだからしかたないね
わたしわらう
ぱんだはすまないねという
へたにうごかすとかおがなくなっちゃうから
かなしいかおはしないで
ゆめんなかだもん
ちいさくたっていいの
ゆめんなかだもん
ぱんだ、だいすき
だきついたらよけいねとねとになった
ぱんだとあるいていく
こわくはないの
とてもかなしいだけ
おかしのぱんだは
あるくだけでもねとねとになる
おひるにあしがなくなって
おやつにわたしがすこしたべたから
ぱんだはあるけなくなっちゃった
わたしはかれをおぶってあるく
ぱんだはわたしをなでてくれる
かみがよごれるよっていってくれたけど
なででほしいからそういった
わたしのためにうでをなくしてって
そんなわるいなこえは
ずっとないしょにする
ぱんだはねとねとしてくる
おなかがすいたら
ぱんだをたべてあるく
うみまできたら
しょっぱいかぜで
ぱんだのからだはとけちゃって
わたしがすこしたべちゃって
とうとうくびだけになっちゃった
ずっとくちづけしていようねってやくそくした
ぜんぶとけちゃうまでそうしてるねってやくそくした
おかしのぱんだはとってもあまい
だからすぐねとねとになる
あさからずっといっしょだから
もうのどがいがいがしてて
ももいろりぼんもかみにべったりくっついて
くちをぬぐうてもあまいのよ
それでわたしはかなしいかおをした
ぱんだはだいじょうぶ、またあえるからねとわらった
わらったら
かおがくずれてなくなった
じめんにおちたぱんだのめとくちを
てのひらにのせてにぎった
てをひらいたら
きょういちばんのねとねとぐあい
ちがうのよ、ぱんださん
やっとさよならなの
つまづいたふりをして
うみにとびこむ
もようだけのぱんだとわたしのからだのねとねとは
これですっかりなくなって
ぱんだをたべて
おおきくなったわたし
ももいろりぼんがほどけてながれた
おおきくなったわたしには
わるいかんがえがたくさんうかぶけれど
なくしたりぼんがおしいから
しばらくうみからあがれない