ささやかな肉体の抵抗
舞狐

足がかゆい

ばりばりと
かゆいあたりを
かいてみる

痛みはもとより
触れても分からないはずの場所がかゆい

きっと
ナイフで切り付けても気付かないであろう足の一部

神経が切断されていて
触れても分からない場所なのに

そこがかゆいのだ

試しに足一本
全部かいてみる


かゆい場所には触らない

どこがかゆいのか
わからない


私の意に反して
生きようともがく足


かゆいのだ



自由詩 ささやかな肉体の抵抗 Copyright 舞狐 2008-05-08 15:52:09
notebook Home 戻る  過去 未来