十二月だってことくらいわかる。まだわかるから藻掻け。
因子

突き刺してほぐしてしまってください、スプーンやフォークといったような安い金属でいいですから
つまりそれがものの価値、いいえそんなことは


誰かに任せるのが楽です
わたしもう帰ります


もしかしたら、もしかしたら、こうやったらこの先へ行けるかもしれない、この先なんか見なくてすむかもしれない、それから、きちんと奪われるようななにかが起こるかもしれない。そういうかすかな希望はしかし希望の癖に翳っている。希望、なんだから、すこしくらいあかるくなったって、どうせなら下品な程ぎらぎらとしたって、いいじゃないか、そう思う のに。
そこだけ穴があいたようにぽっかりとくろぐろと、
そしてわたしの視界を奪う。
スタバのトイレで腕に刃をあてる解放。布団の中に音楽を持ち込んでみても、普段涙腺を開け放つフレーズはこんなときに限ってわたしを見放す、おまえのために使われたくなどないという。







スタバのトイレはひろい









おのれの躯の表面をいくら傷つけたところで滲み出るのはさらさらとしたそいつ
粘性なんかなかった、がっかりだよ


ただあかいだけで
それも褐色になっていってしまって
どこにも 理由 などはないんだ
どこにも いのち などはないんだ
ないんだ




うんしってる


自由詩 十二月だってことくらいわかる。まだわかるから藻掻け。 Copyright 因子 2008-05-06 23:23:42
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