チャレンジ
見崎 光
“escape”
当たり前になった日々
わずかばかりの傷と
大げさな被害妄想を
繰り返し繰り返し並べて
“pride”という線を
綺麗に描こうと必死だった
“It's given up.”
物分かりの良いフリをして
透かした強がり
誤魔化しきれない真実と
偽物だらけの悲観を
弱さや未熟と片付けて
“pure”という飾りを
付ける場所を探してた
でも
もう
必要ない
あの日
午後の日差しが
ふたつの運命を繋いだ瞬間に
手放してはいけない未来を悟った
出逢った瞬間に
飛び込んできた幻覚
あの子だけが知る
ふたつの運命の行き先を
覗いてみたいと思った