ばんのうやく
むむ




オレンジの錠剤を

窓から投げ飛ばし



袋に入った白い粉薬を

流しにジャーと流し



黒っぽいみずぐすりは

観葉植物に飲ませた



そしていそいそと

携帯電話を手にする








三日ぶりのテノールが聞こえる








彼が来る

彼が来る



焼けるような熱も

締め付けられる頭痛も



これでもう

心配はいらない



万能の風邪ぐすりが

もうすぐやって来る





自由詩 ばんのうやく Copyright むむ 2008-05-03 23:43:29
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