殺んのかコラッと言ったものが殺られた
バーテンダーが殺られるべくして殺られた
抗争が殺られるまで始まった

沖縄の青い魚がモリで射抜かれた
太陽が昼を殺った
事務所が爆殺された
一般人に化けたヒットマンが相手を殺りながら殺られた
一番の強面は殺られた
殺られるための夜が影を伸ばす
踊り男が花を咲かす
殺ってきた男は自分で殺られるフリしてまだ生きてた
若人は生き急いでいるのか死に急いでいるのか
区別をしなかった
月夜に出しゃばった男が殺られる
出しゃばらなかった女は殺った男にヤラレたがった
優しいおじいさんとしての組長は
優しいおじいさんのまま殺られていった

釣り男は銃で魚を射た
死んだ魚は人だった
殺られる者たちの楽園が開かれる、開かれた楽園は
安息の代わりに殺られることを保証してくる
恵みの雨がまず殺られる
生きることに１ミリでも近い方がそして殺られた
人でなしは丁度　人の形を失っていた
踊り男は殺られた
盾男は殺られた
釣り男は殺られた
仕組んだ男は苦しみ長く殺られた
殺ってきた男は底網で魚を獲るように暗黒をすくい上げ
再び暗黒に骸を打ちつけた

逃げる男は殺られる悪夢を見た
出しゃばらなかった女は殺ってきた男を待った
殺ってきた男は調べを聞いていた
楽譜があるなら終わりの音を知らないといけないと思えた
殺ってきた男は最後に
青く澄んだ音を掴まえた　と思ったとき
ひとり引き金を引いた

「青い魚の調べ」は有名な曲として
何処かに残ってしまった