(交差する浜辺で途絶えても)
たりぽん(大理 奔)
真昼の砂丘では
犬の足跡と鳥の足跡が交差する
風紋が途絶えても
波が伴奏を続けているね
うねっているね
時折、後ろの足跡が
前足の足跡を追い越していく
鳥の足跡が見えなくなる
あの、境界線まで追ったのか
羽ばたきの影を
届かない羽ばたきを
僕が途絶えても波が伴奏を続けて
空には続かない足跡
波間の遠近法でたどってみる
どこまで近づけるだろうか
どこまで近づけるだろうか
風紋が無限の楽譜を描いて
海と交わるあたりで
砂のように砕きながら
波が伴奏を
砂丘では