ああ
唐草フウ


掴みきれない砂を
別れ際におとした
5月の夜空は
何も知らなすぎる

またね、と約束して
帰ってこなかった人を
悔やむ
その先に空白





・・・
わたしは正しいですかと
目を閉じた向こうに
問いかけてみる
そこは風も光も闇もない
羽毛をしきつめた丘陵が
広がって
ひろがって
おし合って おし込まれて
わたしはまたここに
同じところに
・・・




またね、を怖がるようになった
幼くない初夏の
少し もうろうとする
足のゆびさき
その先には空白




自由詩 ああ Copyright 唐草フウ 2008-05-02 16:48:17
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