開かずの踏切
ゆうと
なにもきかない
なにもきかないで
ぼくの目だけ見て
・
遮断機がおりる
ぼくの前で
引き裂かれる
地図の裏側は
ただ白いだけじゃなかった
・
指のすき間から
光がこぼれた
手にしたものはみんな
安物だったけど
それでも大事にしてた
しがみついていた
・
疲れたんだって
言って
あれ
元気になれない
・
踏切の前で
ずっと
考え事してた
あの音は
耳鳴りだと思ってた
なんでもない
いつものことだと思ってた
・
なにもいらない
なにもいらないから
ぼくを絶望させてくれ
・
音楽を聴いていた
それだけのこと
それだけのことで
泣けないだろう
普通は
・
ねえ
おかしいんだ
おかしいことに
今頃気づいた
狂っていたのだ
世界が
ぼくが
・
踏切の前で
踏切の前で
踏切の前で
ずっと
自由詩
開かずの踏切
Copyright
ゆうと
2008-04-30 21:57:49