さよならの前につたえる
吉岡ペペロ

夜風を、友よ、

ぼくは、青春と呼ぼう、


黒の日だまりのなかで

ひとりを抱えて

自転車をこいでいる

いくつか光を過ぎて

セルロイドみたいな

外灯のそばの新緑のした


こんな夜あるだろう

寂しいエコーが繰り返す

あたたかな家庭

元気な恋人

こんな夜あるだろう

狂った暗がりに突っ込む


夜風を、友よ、

ぼくは、青春と呼ぼう、


黒の日だまりのなかで

ひとりを抱えて

自転車をこいでいる

いくつか光を過ぎて

セルロイドみたいな

外灯のそばの新緑のした


自由詩 さよならの前につたえる Copyright 吉岡ペペロ 2008-04-28 23:50:19
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