忘れてしまったんだ
よしおかさくら

大人は忘れてしまった
中学生の頃、自分を取り巻く空気の薄さを
だってほら、なんということはなしに苦しかったじゃん
毎日のように新しい問題が降りかかってきて
解決なんてできないまま
また明日を見ろだなんて
そんな中で将来のことも考えなくちゃいけなくてさ
高校生の頃だってさ
別に変わらないよ朝教室のドアを開けたら
話し声が止んだりして
隣のクラスの男子?
(ああ、A子ちゃんのことが好きだから情報よこせって)
云えればなんの苦労もないって
ばっかみたい
わたしは男友達をひとりなくす

教室でウノやってる時がいちばんたのしかった
勝つコツを教えたら、勝てなくなって
やたらと歩くようになったっけ
忘れてないよ苦しかったことは
だけど
どう苦しかったのかはさっぱり

もうすこし経ったら楽になる
はっきりと
何が良くて何が悪いのか明白になるから
それまでの辛抱だ


自由詩 忘れてしまったんだ Copyright よしおかさくら 2008-04-28 09:30:35
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