間引き
明楽

むかーし むかしの頃から続いている
どうしようもなく
機械的なこの営みは
痛みをかくして
笑っているようであります

健やかな苗木を育むため と
頭ではわかっているのです
だけど こころの中
かすかに残る幼い頃と変わらぬ部分は
かたくなに首をたてに振りません

もう とっくのむかしに知っています
畑以外にも
日常生活のいたるところで
仕方がないから という言い訳をして
不条理に目をつむっていることなど

けれど時折
薄目を開けてしまい
そしたら
目を見開いてしまい
やるせなさが募るのです

はじめて不条理を
受け入れさせられた時のように


自由詩 間引き Copyright 明楽 2008-04-27 22:17:31
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