「 卵 」
服部 剛

「卵」という文字が 
何故か哀しく歪んだ 
誰かの顔に見える 

「卵」という文字が 
何故か背中合わせに俯く 
ふたりの人に見える 

「卵」という文字が 
何故かずっと倒れずに 
姿の消えない木に見える 

「卵」という文字が 
何故か隙間を開いたまま 
風の吹き抜ける扉に見える 





自由詩 「 卵 」 Copyright 服部 剛 2008-04-25 23:59:24
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